THE DA VINCI CODE (CHAPTER 13) Translating...
Mật mã Da Vinci (tiếng Anh: The Da Vinci Code)
là một tiểu thuyết của nhà văn người Mỹ Dan Brown được xuất bản năm 2003 bởi
nhà xuất bản Doubleday Fiction (ISBN 0385504209). Đây là một trong số các quyển
sách bán chạy nhất thế giới với trên 40 triệu quyển được bán ra (tính đến tháng
3, 2006), và đã được dịch ra 44 ngôn ngữ.
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ソニエールの追伸を、ラングドンはしばし驚きの目で見つめた。〟P.S.ロバート・ラングドンを探せ〟。足もとの床が揺れている気がする。自分の名を、ソニエールが追伸に記した? どれだけ突飛な想像をしようと、理由が思いあたらない。
「これで納得できたでしょう」ソフィーが急き立てるような目をして言った。「なぜファーシュが今夜あなたを呼びつけたのか、なぜあなたが第一容疑者なのか」
いまのところ納得できたのは、ソニエールは犯人の名前を書いてしかるべきだとこちらが言ったときに、ファーシュがずいぶん満足げだった理由だけだ。
―ロバート・ラングドンを探せ。
「ソニエールはなぜこんなことを?」混乱は怒りへ変わりつつあった。「どうしてわたしがジャック・ソニエールを殺さなきゃならないんだ」
「ファーシュもまだ動機までは考えていない。だけど、あなたが何か漏らすと踏んで、今夜の会話をすべて録音してるわ」
ラングドンは口をあけたが、ことばが出てこなかった。
「ファーシュは小型マイクを身につけてるの」ソフィーが説明する。「ポケットの送信機につないであって、そこから無線で司令室に飛ばしてる」
「冗談じゃない」ラングドンは舌をもつれさせた。「わたしにはアリバイがある。講演のあとはまっすぐホテルに帰ったよ。フロントに尋ねればわかる」
「もう尋ねたわ。ファーシュの報告書には、あなたが部屋の鍵を十時半ごろに顧客係から受けとったとあった。残念ながら事件の起こった時刻は十一時近くなの。だれにも見られずに部屋を抜け出す余裕はじゅうぶんあったというわけ」
「ばかげてる!なんの証拠もないじゃないか!」
そうだろうか、と言わんばかりにソフィーは目を見開いた。「ミスター・ラングドン、死体のそばの床にあなたの名が残されて、被害者のスケジュール帳には事件とほぼ同じ時刻にあなたと会うと記されていたのよ」ひと呼吸置く。「ファーシュからすれば、あなたを勾留するのにじゅうぶんすぎるほどの証拠がある」
弁護士を呼ぶべきだ、とラングドンはにわかに思った。「わたしはやっていない」
ソフィーはため息をついた。「これはアメリカのテレビ番組じゃないのよ、ミスター・ラングドン。フランスでは、法は犯罪者じゃなくて警察を守るの。あいにくこの事件の場合は、メディアの反応も考慮しなくてはならない。ジャック・ソニエールはパリじゅうの人たちに好かれている有名人よ。殺されたとなると朝には大ニュースになる。ファーシュはすぐに声明を出さざるをえないわけだけど、その時点ですでに容疑者を勾留しているほうがはるかに体裁がいい。有罪であろうとなかろうと、事件の真相が明らかになるまで司法警察があなたを手放さないのは確実ね」
ラングドンは自分がかごに入れられた動物になった気がした。「きみはなぜそんなことまで教えてくれるんだ」
「無実だと信じてるからよ」ソフィーは一瞬目をそむけ、ふたたびラングドンの目を見た。「それに、あなたが巻きこまれたのはわたしのせいでもあるから」
「なんだって? ソニエールがわたしを陥れようとしたのが、きみのせい?」
「あなたを陥れようとしたんじゃないわ。そんなつもりはなかった。床のメッセージはわたしに宛てて書かれたものなの」
そのことばの意味を呑みこむには少々時間がかかった。「いまなんと言った?」
「あのメッセージは警察のために残したんじゃない。わたしのためなのよ。きっと何もかも大急ぎでやらざるをえなくて、警察の目にどう映るかまでは頭がまわらなかったんだわ」ソフィーはことばを切った。「数字の暗号には意味がないの。あれを書いたのは、捜査にかならず暗号解読官が加わるよう仕向けるため。自分の身に起こったことを、できるだけ早くわたしに知らせようとしたのよ」
ラングドンはますます途方に暮れた。ソフィー・ヌヴーが正気を失っているかどうかは、この際どうでもよい。けれども、ソフィーが援助してくれる理由はようやく理解できた。〝P.S.ロバート・ラングドンを探せ〟。どうやらソフィーは、この謎めいた追伸をソニエールが彼女に宛てたと信じている。「でも、なぜこのメッセージがきみに向けられたものとわかるんだ」
「〈ウィトルウィウス的人体図〉よ」ソフィーはきっぱりと言った。「あの素描はダ・ヴィンチのなかでも、昔からわたしの大好きなものだった。だから今夜、わたしの注意を引くためにそれを使ったのよ」
「待ってくれ。ソニエールはきみの好きな絵を知っていたのか?」
ソフィーはうなずいた。「ごめんなさい。順序がでたらめだったわね。ジャック・ソニエールとわたしは……」
ソフィーの声が詰まる。急にもの悲しさがにじみ、つらい過去がいまにも浮かびあがりそうに見えた。ソフィーとソニエールはなんらかの特別な関係にあったのだろう。ラングドンは目の前にいる美しく若い女性を観察した。フランスの年輩の男は若い愛人を持つことが多いと聞く。とはいえ、囲い女としてのソフィー・ヌヴーの姿を想像するのはむずかしかった。
「十年前に仲たがいして」ソフィーは声を落とした。「それからほとんど口をきいてないわ。今夜、ジャック・ソニエールが殺されたと解読課に連絡があって、死体の写真と床の文字を見たとき、わたしにメッセージを送ろうとしたんだとわかったの」
「〈ウィトルウィウス的人体図〉で?」
「ええ。それに、P.S.とあったから」
「追伸、だろう?」
ソフィーはかぶりを振った。「P.S.はわたしの頭文字なの」
「でも、きみの名はソフィー・ヌヴーだ」
ソフィーは目をそらした。「P.S.はいっしょに住んでいたころのわたしの愛称なの」顔を赤らめる。「〝プリソセス・ソフィー〟の頭文字よ」
ラングドンは何も言わなかった。
「ばかみたいだわね」ソフィーは言った。「だけど、何年も前のことよ。わたしがまだ小さかったころ」
「小さいときから知り合いだったのか?」
「よく知ってたわ」こみあげる感情のせいで、ソフィーの日には涙がたまっていた。
「ジャック・ソニエールはわたしの祖父なの」
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