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THE DA VINCI CODE (CHAPTER 18) Translating...

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Mật mã Da Vinci (tiếng Anh: The Da Vinci Code) là một tiểu thuyết của nhà văn người Mỹ Dan Brown được xuất bản năm 2003 bởi nhà xuất bản Doubleday Fiction (ISBN 0385504209). Đây là một trong số các quyển sách bán chạy nhất thế giới với trên 40 triệu quyển được bán ra (tính đến tháng 3, 2006), và đã được dịch ra 44 ngôn ngữ.
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 遠くの警報音をしのぐコレの大声を無線で聞きながら、ファーシュはグランド・ギャラリーを突き進んだ。
「飛びおりました!」コレが叫んでいる。「信号はトイレの窓の外から発せられています。いまはまったく動いていません。ラングドンは自殺を図ったようです!」
 声は聞こえたものの、ファーシュはわけがわからずに走りつづけた。廊下は果てしなくつづく。ソニエールの遺体の横を駆け抜け、突きあたりの仕切り部分に目を向けた。警報が一段と大きく聞こえる。
「待ってください!」コレの声がふたたび無線機から響いた。「動いています!よかった、生きている。ラングドンが動いています!」
 ひと足ごとにギャラリーの長さを呪いながら、ファーシュは走りつづけた。
「動きが速くなりました!」コレはまだ怒鳴っている。「敷地を走っていきます。待てよ・また速くなった。これは速すぎる!」
 仕切り板にたどり着いたファーシュは蛇行して進み、トイレのドアを見つけるや駆け寄った。
 警報音のせいで、無線の声はわずかしか聞きとれない。「車だ!車に乗っているんでしょう。しかし
 コレのことばが警報音に掻き消され、ファーシュは銃を手に男性用トイレへ飛びこんだ。耳をつんざく鋭い音にたじろぎながらも、あたりを見まわした。
 個室は空だった。洗面所にもだれもいない。ファーシュの視線は、突きあたりの壊された窓へすばやく移動した。そこへ走り寄って、外へ顔を出した。ラングドンはどこにも見あたらない。このような大それた真似をするとは、思いも寄らなかった。ここから飛びおりたら、少々の怪我ですむはずがない。
 ようやく警報装置を切ると、コレの声がまた無線機から聞こえた。
……南へ向かって……速くなって……ロワイヤル橋からセーヌ川を渡っています!」
 ファーシュは左へ顔を向けた。ロワイヤル橋を走っているのは、ルーヴルから南へ向かう巨大な配送用トラックだけだ。無蓋の荷台はビニールシートで覆われ、ばかでかいハンモックに見えないこともない。事態を悟って戦慄した。あのトラックはほんの少し前、赤信号のためにトイレの窓の真下に停まっていたのだろう。
 なんと無茶な、とファーシュはつぶやいた。シートの下に何が積まれているか、ラングドンにはまったくわからなかったはずだ。運んでいたのが鋼材だったらどうなる? コンクリート材なら? 生ごみだとしたら? 四十フィート飛びおりるなんて、正気の沙汰ではない。
「点が方向を変えました!」コレが叫ぶ。「右折してアナトール・フランス河岸へ出ようとしています!」
 見たところ、橋を渡りきったトラックはたしかに速度をゆるめ、右へ曲がろうとしている。勝手にしろ、とファーシュは思い、トラックが右へ姿を消すのをあきれて見守った。コレはすでに外の捜査官たちに無線連絡をはじめ、ルーヴル周辺の警備からパトカーでの追跡へ移るよう指示する一方、トラックの動きについての情報を珍妙な実況放送さながら流しっづけている。
 どうせ先は見えている、とファーシュは確信していた。数分でトラックは部下に包囲される。ラングドンはどこへも逃げられない。
 銃をしまい、トイレから出てコレに無線で指示した。「わたしの車を出してくれ。逮捕の現場に居合わせたい」
 ファーシュはグランド・ギャラリーを駆け足で引き返しながら、そもそもラングドンはまだ生きているかどうかと考えた。
 たいした問題ではない。
 ラングドンは逃走した。有罪は決まりだ。
 わずか十五ヤード離れたグランド・ギャラリーの暗闇で、ラングドンとソフィーは、トイレの入口を目隠しする大きな仕切り板のひとつに背中を押しっけて立っていた。先刻ここに身を隠したのだが、つぎの瞬間、銃を持ったファーシュが近くを駆け抜けてトイレへ消えた。
 ここへ来る直前の六十秒間のことが、ふたりの脳裏にかすかによみがえってくる。
 男性用トイレでラングドンが、犯してもいない罪のために逃げるのをためらっているのを尻目に、ソフィーは窓ガラスに目をやって、張りめぐらされた警報用の網を観察しはじめた。それから、落下地点を見定めるかのように、眼下の通りに目を凝らした。
「その気になれば、脱出できるわ」ソフィーは言った。
 その気になる? ラングドンは不安を感じて窓から外をのぞいた。
 通りの先から、巨大な十八輪トラックが窓の下の停止信号に向かってきた。トラックの広々とした荷台には青いビニールシートが張り渡され、積み荷をゆったりと覆っている。ソフィーの目論見について、こちらの読みがはずれていることを祈った。
「ソフィー、飛びおりるなんてそんな
「発信機を出して」
 ラングドンはとまどいながらもポケットをまさぐり、小さい金属の円盤を取り出した。ソフィーはそれを受けとるなり、洗面台へ急いだ。分厚い石?をつかみとり、その上に発信機を置いて親指で強く押しっける。円盤が柔らかな表面に深く食いこむと、穴のまわりを指でならして、発信機をしっかりと埋めた。
 ソフィーは石?をラングドンに手渡し、重い円筒形のごみ缶を洗面台の下から引き出した。抗う間をラングドンに与えずに窓際へ走り、打ち壊し棒のようにそれを掲げる。ごみ缶の底を窓の中心に叩きつけると、ガラスが砕けた。
 頭上から、耳を聾するほどの音で警報が鳴り響いた。
「石?をちょうだい!」ソフィーの叫び声は警報音のせいでほとんど聞こえない。
 ラングドンは石?を突き出した。
 石?を受けとったソフィーは、割れた窓から停止中の十八輪トラックを見おろした。標的はかなり大きくて静止しており、建物から十フィートも離れていない。信号が変わる直前に、ソフィーは深く息をして石?を夜の闇へ投げた。
 石?はトラックへまっすぐ落下してシートの端に載り、信号が青に変わると同時に荷台の奥へ滑り落ちた。
「おめでとう」ソフィーは言い、ラングドンをドアへと引きずっていった。「あなたはたったいまルーヴルから脱出したわ」
 ふたりがトイレから退散して物陰に身をひそめたそのとき、ファーシュが脇を突っ走っていった。
 警報機の音が静まったいま、ラングドンの耳に聞こえるのは、ルーヴルを出発する何台ものパトカーの甲高いサイレンの音だった。まるで民族の大移動だ。ファーシュもすばやく立ち去り、グランド・ギャラリーは静まり返った。
「五十メートルほどもどったところに非常階段があるの」ソフィーは説明した。「外の見張りがいなくなったから、そこから出ればいい」
 ラングドンはもう何も言うまいと心に決めた。ソフィー・ヌヴーが自分より格段に頭が切れるのは明らかだ。

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