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THE DA VINCI CODE (CHAPTER 07) Translating...

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Mật mã Da Vinci (tiếng Anh: The Da Vinci Code) là một tiểu thuyết của nhà văn người Mỹ Dan Brown được xuất bản năm 2003 bởi nhà xuất bản Doubleday Fiction (ISBN 0385504209). Đây là một trong số các quyển sách bán chạy nhất thế giới với trên 40 triệu quyển được bán ra (tính đến tháng 3, 2006), và đã được dịch ra 44 ngôn ngữ.
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 サン・シュルピス教会には、教会堂の二階部分、聖歌隊席のバルコニーの左に、質素な宿所がある。石の床に最小限の家具を備えたこの二間の部屋で、シスター・サンドリーヌ・ビエイルは十年以上暮らしてきた。本来の住まいは近くの女子修道院だが、教会堂の静けさが気に入っているし、ベッドと電話とホットプレートがあればじゅうぶん快適に感じられた。
 シスター・サンドリーヌは管理人として、教会運営上の雑事を取り仕切っていた保守整備全般、職員やガイドの雇い入れ、閉館後の戸締まり、そして聖体拝領に使うワインと聖餅の補充などだ。
 この夜、小さなベッドで眠っていたとき、けたたましい電話の音で目を覚ました。しぶしぶ受話器をあげる。
「スール・サンドリーヌ。エグリズ・サン・シュルピス」
「こんばんは、シスター」相手もフランス語だった。
 シスター・サンドリーヌは体を起こした。いま何時だろう? 上司の声だとはわかったものの、この十五年間、こんなふうに叩き起こされたことは一度もなかった。神父はきわめて敬虔な人物で、ミサを終えるとすぐ帰宅して床に就くのが常だ。
「起こしてすまない、シスター」神父自身の声も、疲れて苛立っているようだ。「ひとつ頼みを聞いてくれないだろうか。たったいま、アメリカの有力な司教から電話があったのだよ。あなたも知っているだろう。マヌエル・アリンガローサだ」
「オプス・デイの代表ですか?」もちろん知っている。知らない者がキリスト教界にいるだろうか。アリンガローサの保守的な教区であるオプス・デイは、近年になって大きな力を持つようになった。その地位が急上昇したのは、一九八二年に教皇ヨハネ・パウロ二世が突然それを〝教皇直轄の属人区〟に昇格させ、活動のすべてを正式に認可してからだ。同じ年、資金潤沢なオプス・デイは、十億ドル近い金をヴァチカンの宗教活動協会通常はヴァチカン銀行という名で知られる組織へ移し、恥ずべき破産状態から救ったと言われている。さらに疑わしいことに、教皇はオプス・デイの創設者を聖人への〝最短出世コース〟に乗せ、ふつうなら列福まで一世紀はど待つところをわずか二十年に縮めた。シスター・サンドリーヌもオプス・デイがローマで優遇されているのを怪しまずにいられなかったが、教皇庁に異を唱える者などいない。
「アリンガローサ司教に頼まれてね」神父は落ち着かない声で言った。「あちらの信徒の男性がひとり、今夜パリにいるんだが……
 その奇妙な要求を聞いて、シスターはとまどった。「つまり、そのオプス・デイ信徒は、朝まで待てないと言うのですか」
「そうだ。飛行機が朝早いらしくてね。サン・シュルピスをぜひ見たいと、つねづね思っていたそうだ」
「だけど、昼間のはうがずっとすばらしいじゃありませんか。円窓から差しこむ太陽の光、指時計に落ちて刻々と姿を変える影。それこそがサン・シュルピスらしさなのに」
「そのとおりだよ、シスター。しかし、今夜だけその人を入れてやってもらえないか。そちらへ着くのは……一時ごろになる。二十分後だ」
 シスターは眉根を寄せた。「わかりました。喜んでお迎えします」
 神父は礼を言って電話を切った。
 当惑しながらも、シスターはあたたかいベッドに少しだけとどまり、眠気を振り払おうとつとめた。六十歳の肉体は昔のように寝覚めがよくはないが、今夜の電話はまちがいなく五感を目覚めさせた。オプス・デイと聞くといつもいやな気分になる。不可解な肉の苦行に固執する点は言うに及ばず、彼らの女性観はせいぜい中世並みだ。男性信徒がミサに出ているあいだ、女性信徒が男性の宿舎を無償で掃除させられると聞いたときはショックだった。男性は藁のマットで寝るのに、女性は硬い木の床で寝る。そして、女性は一段きびしい肉の苦行を強いられる。すべては原罪への贖いとして課せられるという。イヴが知識の木の実をかじったために、女性は永遠に償うべき運命にあるということらしい。カトリック教会の大部分が女性の権利を尊重するという正しい方向へ徐々に動いているにもかかわらず、残念ながらオプス・デイはその流れを覆そうとしている。
 とはいえ、指示には従わなくてはならない。
 ベッドから脚をおろしてゆっくりと立つと、素足の裏に冷たい石がふれた。寒気がこみあげたとき、ふと恐怖を覚えた。
 女の直感だろうか。
 神に仕える者として、シスター・サンドリーヌはおのれの魂の穏やかな声に耳を傾け、平和を見いだす術を身につけている。しかし今夜はその声も、閑散としたこの教会に劣らず静まり返っていた。

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