THE DA VINCI CODE (CHAPTER 11) Translating...
Mật mã Da Vinci (tiếng Anh: The Da Vinci Code)
là một tiểu thuyết của nhà văn người Mỹ Dan Brown được xuất bản năm 2003 bởi
nhà xuất bản Doubleday Fiction (ISBN 0385504209). Đây là một trong số các quyển
sách bán chạy nhất thế giới với trên 40 triệu quyển được bán ra (tính đến tháng
3, 2006), và đã được dịch ra 44 ngôn ngữ.
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「ユヌ・プレザントリー・ニュメリーク?」べズ・ファーシュはこらえきれず、不信をみなぎらせた顔でソフィー・ヌヴーをにらみつけた。数字の遊びだと? 「専門家として、ソニエールの暗号はある種の数学的な遊戯だったと結論づけるのか?」
この女はどこまで厚かましいのか、どうにも理解できない。許可もなく割りこんできたあげく、ソニエールがいまわの際で書き残そうとしたのほ数字を使った冗談だと主張するなんて。
「この暗号は」ソフィーは早口のフランス語で言った。「ばかばかしいほど単純なものです。すぐに見破られると本人もわかっていたにちがいありません」セーターのポケットから紙片を取り出し、ファーシュに渡す。「これが答です」
ファーシュは紙を見た。
1―1―2―3―5―8―13―21
「これだけか?」ファーシュは叫んだ。「数字を小さい順に並べ替えただけじゃないか!」
ソフィーは大胆にも満足げな笑みを浮かべた。「そうです」
ファーシュは喉を絞るような低い声で言った。「ヌヴー捜査官、どういうつもりか知らないが、早く要点を言うんだ」そばにいるラングドンを気にして目を向けた。電話を耳に押しっけ、まだ大使館からのメッセージを聞いているらしい。血の気の引いたその顔からすると、悪い知らせではないだろうか。
「警部」ソフィーの口調は挑発的なほどだった。「お手もとにある数字の並びは、歴史上最も有名な数列のひとつですよ」
ファーシュはそもそも、有名と呼ばれる数列が存在することさえ知らなかったし、ソフィーの小ざかしい口ぶりも気に食わなかった。
「フィボナッチ数列です」ソフィーはファーシュが手にしている紙へ顎を向けた。
「それぞれの項の値が、先行するふたつの項の和に等しいという性質を持っています」
ファーシュは数の列をじっと見た。たしかに、どの数も直前にあるふたつの数の和になっている。しかし、それがソニエールの死とどう関連しているのかは見当もつかなかった。
「十三世紀にレオナルド・フィボナッチという数学者が考えたものです。床に書かれたすべての数字がこの有名な数列に含まれるわけですから、偶然ではありえません」
ファーシュはしばしソフィーを見据えた。「いいだろう。では、偶然でないとしたら、ジャック・ソニエールがこんなものを書いた理由を説明してくれ。何を言おうとしたのか。どういう意味なのか」
ソフィーは肩をすくめた。「意味などまったくありません。これは暗号を使ったごく簡単なジョークです。有名な詩の各単語の順序を並べ替えて、すべての単語に共通する点は何かをあてさせる遊びと似ています」
ファーシュは威圧するように前へ出て、ソフィーの顔から数インチのところまで顔を近づけた。「そんな戯言ではなく、しっかり納得のいく説明を聞きたいものだな」
ソフィーはそれに負けじと、やさしい顔立ちを驚くほど険しくさせた。「今夜の状況を考えたら、ジャック・ソニエールが単なるゲームに興じていたとわかって、喜んでくださるかと思っていました。どうやらちがうようですね。あなたがこれ以上の協力を必要としていないと課長に報告しておきます」
そう言ってきびすを返し、来た道をもどっていった。
ファーシュは唖然として、ソフィーが暗闇へ消えるのを見守った。あの女、正気か? いまのふるまいは職業上の自殺行為にほかならない。
ラングドンはまだ電話中で、一段と心配そうな顔で伝言に聞き入っている。アメリカ大使館か。 ファーシュがきらうものは数多いが、アメリカ大使館への憎悪は格別だった。
ファーシュとアメリカ大使館は、互いの国務をめぐってしじゅう角突き合わせている。たいていはアメリカ人渡航者の法的処置に関する問題だ。司法警察はほぼ毎日アメリカ人を逮捕する。麻薬を所持していた交換留学生、未成年者との淫行に及んだビジネスマン、万引きや器物破損に手を染めた旅行者などだ。大使館は合法的に介入して、犯罪者を自国へ送還することができる。母国ではごく軽い刑罰しか科せられない。
そして、大使館はつねに介入する。
司法警察の去勢。ファーシュはそう呼んでいる。最近《パリ・マッチ》誌に、ファーシュを警察犬に見立てた風刺漫画が載った。アメリカ人犯罪者に噛みつこうとするが、大使館に鎖でつながれているために届かない絵だ。
今夜はそうはさせない。ファーシュは心に誓った。あまりに多くの問題がこの件にかかっている。
ロバート・ラングドンが電話を切った。気分が悪そうに見える。
「だいじょうぶか」ファーシュは訊いた。
ラングドンは弱々しくかぶりを振った。
悪い知らせか。携帯電話を受けとったとき、ファーシュはラングドンがわずかに汗をかいているのに気づいた。
「事故がありまして」ラングドンは小声で言い、複雑な表情でファーシュを見た。
「友人が……」口ごもる。「朝一番で帰らなくては」
衝撃を受けているのは疑うべくもないが、その顔からは別の感情も見てとれた。まるで、かなたの恐怖が突然目に浮かびあがったかのようだ。「それは気の毒に」ファーシュは言い、ラングドンをしげしげと見た。「すわるといい」ギャラリーにあるペンチのひとつを指す。
ラングドンはぼんやりとうなずき、ペンチへ二、三歩近づいて立ち止まった。刻一刻と混乱の度合いが増すようだ。「いや、それよりトイレへ行かせてください」
ファーシュは内心、これ以上時間を費やすのは避けたかった。「トイレか。いいとも。少し休憩しょう」長い廊下の、自分たちが歩いてきた方向を指さす。「トイレは館長執務室のほうへもどる途中にある」
ラングドンはためらい、反対にグランド・ギャラリーの奥へ指を向けた。「あちら側のトイレのほうが近いのでは?」
そのとおりだった。ここはグランド・ギャラリーの入口から端へ至るまでの三分の二ほどの位置で、このまま進んだ奥にもトイレがある。「付き添いは必要かな」
すでに奥へと歩きはじめていたラングドンは、首を横に振った。「平気です。しばらくひとりにさせてください」
ラングドンが進んでいくのを、ファーシュは意に介さなかった。グランド・ギャラリーの出入口はひとつしかなく―先刻くぐったゲートだけだ―この奥は行き止まりなので、問題はない。これだけ大きな空間だから、消防法の規定によって非常口が数か所に設けられているけれど、ソニエールがセキュリティ・システムを作動させた時点でそれらも自動的に封鎖された。システムはすでにリセットされ、非常口のロックも解除されているが、それは問題にならない―ドアが開けば警報が鳴るし、外は捜査官たちによって固められている。こちらに悟られずにラングドンが抜け出すことはできない。
「わたしはひとまずソニエールの執務室へもどる」ファーシュは言った。「そこまで来てくれ、ミスター・ラングドン。もう少し話したいことがある」
ラングドンはわかったと手で合図して、暗がりへ姿を消した。
ファーシュはそれに背を向け、逆方向へ腹立たしげに歩きだした。ゲートまで来て下をくぐり、グランド・ギャラリーを出たあと、司令室となっているソニエールの部屋へ突進した。
「ソフィー・ヌヴーを通したのはどいつだ!」ファーシュは怒鳴った。
コレが最初に口を開いた。「彼女は外の警備の者に、暗号を解いたと告げたんです」
ファーシュは室内を見まわした。「帰ったのか?」
「いっしょではなかったんですか」
「出ていった」ファーシュは暗い廊下に日をやった。ソフィー・ヌヴーは帰りがけに立ち寄って雑談をする気分ではなかったらしい。
一瞬、半地下階にいる警備の者に無線で連絡して、ソフィーが建物から出ていく前に連れもどせと命じょうかと思った。しかし、思いなおした。要はこちらのプライドが傷つけられたわけで、ひとこと毒づいてやりたいだけだ。今夜は苛つくことばかり起こっている。
あの女の件はあとでいい。くびにしてやるから待っていろ。
ソフィー・ヌヴーのことを頭から追い出し、ソニエールの机に立つ騎士の小像をしばらく見つめた。それから振り返ってコレを見た。「やつはいるな?」
コレは小さくうなずき、ノート型パソコンの画面をファーシュに向けた。間取りの上に赤い点がはっきり見える。〝一般用トイレ〟と書かれた部分で、規則正しく明滅していた。
「よし」ファーシュは言い、煙草に火をつけて廊下へ足を踏み出した。「電話をかけてくる。ラングドンをトイレ以外の場所へ行かせないよう、しっかり見ていろ」
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